The Hummingbird Project感想

高頻度取引のためにKansasとNew Jerseyを最短距離で結ぶ通信回線を構築の計画と構築を描いた映画。以前から話に聞いていて興味があったものの近所では上映されなかったのでamazon primeで観た。Startup企業の熱意と既存企業の資本に物を言わせた対抗策とその結末を描いた作品。技術や伝送路の敷設工事などの詳細は多少ツッコミどころがある。

そもそもAntonは何を開発していたのか。散々CodeだArgorithmだと言っておきながら最後の決め手は市販の光増幅器というのが謎。伝送路設計のsimulationをしていたのなら, 最初に伝送路の損失, 修理や接続箇所で発生する損失を考慮して光増幅器を置く地点を決めるだろうし, 分散補償が必要なら両端の伝送装置や伝送路自体でどのようにそれを行うかある程度設計ができるはず。

伝送路敷設についてはVincentが(若干狂気じみた)アツいProject Managerであることは語られるが事前の地質の調査などについては語られず, 現場で硬い岩盤にぶち当たって掘削機が故障したというあたりは見ていてわかりにくい。それに国立公園内の工事の認可がああもあっさり出るものなのか…。

あとAntonが逮捕される経緯も強引だし(あの理由で逮捕されるなら訴えた競合も逮捕されないとおかしい), さらにAntonが元勤務先の競合の社内systemにあらかじめ仕掛けておいた侵入経路から入って高頻度取引を混乱させるというのは既に犯罪では…。

観客に通信に関心のある人が多くなるだろうということを考えればちょっと細部の作り込みが物足りないと感じさせられる作品だった。

ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち(字幕版)

ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち(字幕版)

  • 発売日: 2020/02/07
  • メディア: Prime Video