MINIXの30年の歴史から学んだこと (原題: Lessons learned from 30 years of Minix)感想

島慶一さんが翻訳したAndrew S.Tanenbaum教授の「MINIXの30年の歴史から学んだこと (原題: Lessons learned from 30 years of Minix)」を読んだ。これにはMINIXの開発の歴史やTanenbaum教授の思入れが語られていてたいへん感銘を受けた。ざっくりとまとめてしまうと

  • MINIXは自分の情熱を注ぎ込んだ大事な作品
  • やっぱりmicrokernelは優れている(comp.os.minixで炎上したのは不注意だった)
  • 広くは知られていないだけで研究としてMINIXは成功した

といったところでしょうか。若干「自分は正しかった」と強弁しているのではないかと感じる箇所もあるけれども回顧録なのでまぁそんなものでしょう…。Linus氏とのcomp.os.minixでの論争についてはLinus氏側の視点で語られているものが多いのだけれども, Tanenbaum氏側の視点が語られているのが興味深いところです。